冬の土用と冷え対策:中医学で春を迎える体づくりと養生レシピ
- Emi
- 1月31日
- 読了時間: 8分
更新日:2月18日
冬の土用とは?立春前の寒さを乗り切る中医学の知恵
愛媛県の椿神社では、立春前後に
『お椿さん』と呼ばれる祭りが行われます。
「伊予路に春を呼ぶ祭り」として有名です。
今年の立春は2月2日。
1月20日から小寒・大寒となり、
冬の土用がやってきます。
冬の土用とは、
立春直前の約18日間を指します。
この時期は、とにかく寒い!
1年で一番寒い!
よって、体調管理が大切です。
寒さがピークを迎えるこの時期に
養生を心がけることで、
春を健やかに迎える準備ができます。
中医学では、
冬の土用には「ひ」のつくもの、赤い食べ物を摂って、体を整えると良いと言われます。
夏の土用が
「う」がつく食べ物をとると良いということで、「うなぎ」を食べるのと同じです。
「ひ」は、ひじき、干物などがあります。
赤い食べ物は、血を作り、体を温める作用があるとされ、特に重要視されます。
トマト、紅花、赤い豆類(アズキ)、ザクロがありますね。
皆さんは他にどんな食べ物を連想しますか?
冷えがもたらす
「気」の消耗とは?
中医学で免疫力アップ!
「冷えは万病の元」とはよく言ったものです。
中医学では、「気」は生命エネルギーとされ、
寒さによって、その消耗が加速すると考えられます。
でも、それだけじゃない。
気が目減りすると、
とんでもない事態を巻き起こします。
毎年、宴会でおじさん達が最後に歌っている「日本全国酒飲み音頭」風に解説します。
歌える人は、歌ってください♪
一番に気があるから、
ポカポカ暖かいぞ
ポカポカ ポカポカ
体あったかいぞ
2番目に気があるから、
風邪ひかないぞ
免疫力が高くて、
ウィルスからも守られるぞ
3番目に気があるから、
背も伸びるぞ
体のどこかしこも
成長するんだぞ
4番目に気があるから、
垂れ下がらないぞ
臓器や筋肉は
重力に逆らっているんだぞ
気がないと、脱稿、胃下垂、
顔が垂れるぞ。
やばい、やばい、やばい、
気は大事だぞ
はい。
このヤバさ、伝わりましたか?
寒さくて体が冷えるだけで、
気を消耗させます。
結果的に、顔の筋肉が垂れたり、
いろいろ漏れやすくもなります。
特に胃腸が弱い体質の人は冷えやすく、
病気に繋がることもあるので注意が必要です。
つまり、気が不足すると、
免疫力が低下し、風邪やインフルエンザにかかりやすくなる。
そして、体の機能全般に悪影響を与えるんです。
冬にインフルエンザが流行するのも納得です。
簡単にできる!
冷えに負けない
薬草風呂と温め習慣
一口で「冷え」と言っても、
いろんなパターンがあります。
例えば、全身が冷える人、
手足が冷える人、
内臓が冷える人など。
でも、全タイプに共通する大事なことは、「冷やさないこと」
単純だけど、それにつきます。
足湯やカイロで、
手首、足首、首の「三首」を温める、
もしくは冷やさない。
特に、カイロは電気のものよりも、
解毒作用のある「小豆」や、
天然素材の塩や糠が入っているカイロを使うと、自然な蒸気が心地いいです。
小豆のカイロは市販されたものもあります。
「薬草湯」に入る。
なにも、入浴剤を買う必要はありません。
どれも、身近な食材の漢方薬です。
少量から始めるのがおすすめです。
特に生姜は、たくさん入れすぎると
ピリピリするので注意。
本当は、クチナシ、紅花、よもぎ、
ドクダミなど、他にもあるのですが、
風呂釜に色がつきそうなので省きました。
薬草湯は自然素材で、
体を芯から温める方法として、
中医学でも推奨されています。
初めて薬草湯を試すなら、
手軽に用意できる「みかんの皮湯」や
「生姜湯」がおすすめです。
1. みかんの皮湯:
みかんの香りでリフレッシュ!
ストレス知らずの体に
• 作り方: 食べた後によく洗って
陰干ししたものを湯に入れる。
• 効能: 気の巡りを良くし、胃腸を整える効果。
特に、ストレスで胃腸が弱りやすい人に最適。
2. 松葉風呂:
森の香りでリラックス!
冷えとコリを解消
• 作り方: 門松などお正月飾りに使っている松葉を
数本拝借し、洗って湯に入れる。
• 効能: 血行を良くし、
冷えや関節痛の改善に役立つ。
デスクワークで固まりやすい体にもおすすめ。
3. 生姜湯:
芯から温まる!冷え性の救世主
• 作り方: 生姜をスライスして
天日干ししたものを湯に入れる。
• 効能: 冷えを改善し、
筋肉の緊張を緩める効果。
肩こりや腰痛にも良い。
4. びわの葉湯:
つるすべ肌を目指して!
乾燥対策の定番
• 作り方: 生のびわの葉を洗い(産毛をのける)、
細かく刻んで煮汁を作り、湯に入れる。
• 効能: 抗菌作用と血行促進に優れ、
乾燥肌や皮膚のかゆみを和らげる。
5. 桃の葉湯:
スッキリ肌へ!
デトックス効果で夏場にも◎
• 作り方: 桃の葉を洗い、
お茶パックに入れて20分に出汁し、
湯に入れる。
• 効能: 解毒作用があり、
肌荒れやニキビに効果的。
夏場向きだが、
乾燥した室内での保湿にもおすすめ。
冷えは生活習慣や体質改善で防ぐことが可能です。
薬草湯や温めグッズを取り入れ、
冬を快適に乗り切りましょう!
中医学の冬対策:
「気」をチャージして
心身を元気に!
気が不足すると、体だけでなく精神的にも影響が及びます。
疲れやすさだけでなく、
気分が沈んだり、
やる気が出なくなったりすることも。
心身を整えるために、
「補気薬」と呼ばれるエネルギー補強食材で、失った気を補うことは必須です!
気を補うには、
栗、黒豆、餅米、さつまいもなど、
滋養豊富な食材を取り入れましょう。
要するに、
「正月に食べる物」
「おせち」をイメージすると良いと思います。
合わせて、
食べる胃薬として、
大根、カブ、キャベツも取れば完璧。
より、気が生まれやすいように胃腸を整えて、
気をたくさん補える食材をとる!
また、次のような食材も補気作用があります。
体調や冷えのタイプに応じて選びましょう。
• 全身に冷えがある人:
くるみ、えび、ニラ、羊肉、黒ごま
• 花粉症や鼻炎に悩んでいる人:
長ネギ、黒砂糖、紫蘇、生姜
• 胃が冷える人:
シナモン紅茶、生姜
補気食材を使ったレシピを
いくつか紹介しますので、
日々の食卓にぜひ取り入れてみてください!
特に、つらい花粉症などがある人は、
この時期の養生で人生が変わります!
春を迎える準備は
冬から始める!
春までもう少し。
冬にしっかりと養生をして「気」を補い、
冷えを防ぐことができれば、
春の体調不良や
花粉症の予防にもつながります。
簡単なレシピや生活習慣から始め、
健やかな春を迎えましょう!
まずは、みかんの皮湯や生姜湯から
始めてみませんか?
「気」を補う食材と
薬膳レシピで
春を元気に迎える!
1. さつまいものホットドリンク:
💡冬の疲れにホッとする甘さ♫
最近、コンビニなどで見かける、
さつま芋のドリンクを自家製で作る♪
材料:
• さつまいも(蒸したもの)100g
• 牛乳200ml
• はちみつ小さじ2
作り方:
1. 蒸したさつまいもを一口大に切る。
2. ミキサーに牛乳とさつまいもを入れ、
滑らかになるまで混ぜる。
3. 鍋で温め、最後にはちみつを加える。
• 効果: 胃腸を温め、気を補う作用があります。
疲労回復やリラックスしたいときにおすすめ。
2. 枸杞と昆布のお酢:
💡デトックス効果抜群の万能調味料!
材料:
• お酢200ml
• 枸杞の実10g
• 昆布5cm
作り方:
1. 煮沸消毒した瓶に枸杞の実と昆布を入れる。
2. お酢を注ぎ、冷蔵庫で一晩以上置く。
3. 普段の料理(サラダや和え物など)に
少量ずつ使用する。
効果:
• 枸杞の実: 目の健康を守り、
血行を促進する作用があります。
• 昆布: ミネラルが豊富で、
体を内側から潤します。
デトックス効果も期待できます。
3. しょうがミルクティー:
💡冷えた体を芯から温める定番レシピ
材料:
・紅茶のティーバッグ1つ
・しょうがスライス2枚
・牛乳200ml
・ハチミツ小さじ1
作り方:
1. 紅茶を濃いめに煮出す。
2. しょうがスライスを加え、1~2分煮る。
3. 牛乳を加え、
温まったらハチミツを入れて完成。
効果: 体を芯から温め、
特に内臓の冷えや胃の不調に効果的。
4. 黒豆とさつまいものスープ:
💡 胃腸に優しい滋養スープ
材料:
・黒豆50g
・さつまいも200g
・水500ml
・塩少々
作り方:
1. 黒豆を一晩水に浸けておく。
2. さつまいもを一口大に切る。
3. 鍋に黒豆、さつまいも、水を入れ、
柔らかくなるまで煮る。
塩で味を調えて完成。
効果: 胃腸を温め、気を補い、
疲れやすい人にぴったり。
5. 柚子と昆布の酢ドリンク:
💡血行促進&疲労回復の一杯
材料:
・柚子1個
・昆布5cm
・黒酢100ml
・水300ml
・ハチミツ小さじ2
作り方:
1. 柚子をスライスし、
昆布、黒酢、水と一緒に瓶に入れる。
2. 一晩置いて完成。
飲むときにハチミツを加えて調整する。
効果: 血行促進とデトックス効果があり、
冷えや疲れを改善する。
備考
1. 花粉症対策と肺の養生
• 肺の冷え: 肺が冷えると気が滞り、
花粉症や風邪に弱くなります。
特に冬の間に肺を温めておくと、
春の症状が軽減されます。
• ポイント: 長ネギ、紫蘇、生姜などを日常的に取り入れること。簡単なネギ茶(長ネギの青い部分を煎じたお茶)もおすすめ。
2. 「気」を補う補気食材の
組み合わせ
補気食材とは、
体のエネルギーを補い、
疲労回復や免疫向上を助ける食材です。
• 「補気食材」を上手に取り入れるポイントは「消化の良い形で摂取すること」。
1. 栗やさつまいもは煮たり蒸したりして
柔らかく。
2. 餅米はお粥やおこわにすると胃腸に優しい。
3. 黒豆は煮物やスープで摂ると、
気を補いながら体を温める。
3. 温めグッズの工夫
• 自然素材のカイロ:
小豆や米を布袋に入れた手作りカイロは、
電子レンジで温めるだけで利用可能。
• 足湯のアレンジ:
足湯に生姜やミントのエッセンスを加えると
さらにリラックス効果が高まる。
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