あなたの不調、本当に「胃」ですか?
- Emi
- 1月23日
- 読了時間: 7分
更新日:2月18日
私たちは「胃が痛い」ってよく言うけど、その原因が本当に胃であるとは限らない。
どうやら、中医学でいうところの
「脾」と「胃」は別の役割を持ち、
それぞれに症状が違うらしい。
【脾と胃、実はこんなに違う!
中医学的役割を解説】
例えば、脾が弱ると、
「食後に眠くなる」
「お腹張ってる」
などの症状がでやすい。
一方で、胃の不調では
「少量しか食べられない」
「食後すぐに吐き気がする」
といった特徴がある。
おなじ食欲不振でも、
胃が原因の場合は食後に眠くならない、と言うことらしい。
もちろん、
「脾と胃の両方が不調」という
嫌なハイブリットパターンもあるけれど、私たち日本人は、胃腸の不調に関していい加減な場合が多いようだ。
胃の不調の延長線上にある胃がんは、
日本人男性の死因三位、女性は四位。
胃もたれ、胸焼け、吐き気がすると、
私たちは胃薬をのむ。
ちょっと胃が痛いくらいじゃ、
病院へは行かない。
どこまでを「ちょっとくらい」で済ますのか、その境界線の曖昧さが、
死因三位・四位となっているのかもしれない。
【胃はこんなに頑張っている!】
吸収しやすく、消化させること。
胃の働きはそれに尽きる。
食べ物を粥状態に溶かすだけでは満足せず、ぐるぐるとミキサーのようにかき混ぜて、さらにドロドロに溶かす。
ついでに、入ってきた細菌も殺菌する。
触ると火傷するぜ!
みたいな超絶危険な酸性の世界。
そして、次の十二指腸からは
逆にアルカリ性の世界が始まる。
食べ物からすると、
閻魔様によって、
酸性地獄の次は全く逆のアルカリ性地獄に送られるようなもの。
酸性に分解された食べ物は、
次に十二指腸でアルカリ性の環境に移動する。
この連携によって、
脂質や酸性では溶けにくい物質が
消化・吸収されるのである。
【胃の不調、あなたはどれに当てはまる?】
最近よく聞く、
機能性ディスペプシア。
これは、ひと昔前だと、病院へ行っても
「悪いとこはありませんねぇ。正常ですよ。」
とか言われて、
「じゃぁ、胃薬だしましょうね」
と薬をもらって帰るパターン。
「こんなに胃が痛いのに?
胃薬で終わり?」
と、モヤっとした気分になる病気である。
これは、胃腸のコントロールが
きちんと制御されないために起こる不調だ。
胃腸の働きを管理する、自律神経のバランスが乱れてるのが原因。
胃腸は悪くないのだから、
調べてもわからないはずである。
こういったグレーゾーンの病気は、中医学や漢方の得意分野。
「ストレスで気の流れが悪くなって、
胃腸にダメージがきた」
と診断されることも多い。
こまめにストレス対策をとったり、
気の流れをよくする食べ物をとっていれば、まぁまぁ防げるし、気の流れをよくする漢方もある。
一方で、
消化器官そのものが悪いパターンは、概ね「火傷」が原因と言える。
ダラダラずっと食べていると、
胃酸がずっと出っぱなしで、
酸性に耐久力のあるさすがの胃壁も
ガタがくる。
防御力が落ちるから
火傷(炎症)して、
治るそばから、また胃酸で火傷する
負のループに陥る。
これが続くと潰瘍にもなる。
また、胃酸が逆流すると、
食道部分は酸性世界じゃないから、
胃酸には全く耐久がなくて火傷をする。
これが逆流性食食道炎。
歯肉まで胃酸で漂白されて
白くなってる人もいる。
過度な飲酒がNGなのも、
酒は火属性なので、すぎると火傷するのだ。
ピロリ菌も、ストレスも、
どれもバリア機能を低下させて、胃酸への耐久力が落ちて火傷する。
火傷状態が続くと碌なことがない。
胃がんまっしぐらだ。
【今日からできる!
中医学的な胃腸ケア】
飲食、ストレス、老化や過労や体質。
中医学では胃がんだけじゃない。
癌の原因って、大きく分けると
みんなこの3つに行き着く場合が多い。
食べ過ぎ、飲み過ぎ、熱すぎる飲食、過度の空腹、早食いなど、日々の飲食
度がすぎる感情の起伏
ーイライラ、怒りすぎる、
うんうんモヤモヤ悩みぎる
老化や元々の体が弱い人などの体質
老化や体質は改善が難しいとしても、
ストレスと日々の飲食くらいは気をつけたい。
気の流れを整えることが、
ストレスへの対応にもつながる。
そのためには、
自分の体と向き合って胃
のストレスケアをはじめよう。
日々の生活に気をつけることで、
胃腸を守ることは十分可能です。
ぜひドリンクやスープレシピを試して、あなたの体調管理に役立ててみてください!
【気の流れを整える!
おすすめドリンク&スープ】
胃腸を守るためには、
日々の飲食から気を整えることが重要です。
ここでは、簡単に作れるドリンクや
スープのレシピを紹介します!
胃腸に優しい
ドリンクメニュー
• ショウガ入り白湯
作り方:
白湯に薄切りのショウガを数枚入れるだけ!
効果: 胃腸を温め、朝の目覚めを助けます。
• ハチミツ入り菊花茶
作り方:
菊花茶を淹れ、
ハチミツをお好みで追加します。
効果: 気の流れを促進し、
ストレスを緩和します。
• ミントとレモングラスのハーブティー
作り方:
ミントとレモングラスをお湯で煮出すだけ。
効果: リフレッシュ効果と
胃腸の働きをサポートします。
胃腸に優しい、
胃が痛いときの
スープメニュー
• カボチャとショウガのスープ
作り方:
カボチャ200g
ショウガ1片
鶏がらスープ500ml
塩少々を使用。
カボチャを柔らかく煮てミキサーにかけ、ショウガと合わせて完成。
効果: 胃腸を温め、消化を助けます。
• 大根とにんじんの中華スープ
作り方:
大根100g
にんじん100g
干しエビ10g
昆布出汁500mlを使用。
材料を薄切りにして煮込み、
干しエビを加え塩で味を調える。
効果: 胃の熱を取り、消化を促進します。
備考
1 中医学の「脾」は、食べ物から栄養を取り込み全身に送る役割を担います。
これに対して「中医学の胃」は食べ物を消化し、脾が働きやすい形にする準備を整える器官です。
どちらも消化吸収に欠かせない存在ですが、
それぞれの不調により異なる症状が現れます。
2 西洋医学では「脾」は主に免疫系や血液の浄化に関連する器官とされますが、中医学では消化吸収を支える重要な存在として捉えます。
これらの違いを理解することで、自分の体調や症状をより的確に把握できるようになります。
3 厚生労働省によると、胃がんは日本人男性の死因第3位、女性の第4位にランクインしています。
特にピロリ菌の感染率は高齢者層で70%以上とも言われ、感染が胃がんの発症リスクを大幅に高めることがわかっています。
4 ピロリ菌と胃がんの因果関係:
ピロリ菌は胃の粘膜に感染し、慢性炎症を引き起こします。この炎症が長期間続くと、胃がんのリスクが大幅に高まることが知られています。
特に感染率が高い高齢者層では、定期的な検査と適切な治療が重要です。
5 機能性ディスペプシア(FD)とは、胃の不快感や痛み、食後の膨満感などが続く状態を指します。
主な症状として、
• 胃の痛みや灼熱感
• 少量の食事でもお腹が張る
• 吐き気やゲップが多い
などが挙げられます。
西洋医学的には明確な異常が見つからない場合が多いですが、自律神経の乱れが関係しているとされています。
6 胃腸を守る漢方
以下の漢方薬が「気の流れを整える」「胃腸を守る」目的でよく用いられます。
• 六君子湯(りっくんしとう):食欲不振、胃もたれ、疲れやすい場合に。
• 半夏瀉心湯(はんげしゃしんとう):胃腸が弱く、下痢や吐き気がある場合に。
• 加味逍遙散(かみしょうようさん):ストレスで胃の働きが低下している場合に。
これらは体質や症状に応じて選ぶ必要があるため、服用前に専門医や薬剤師に相談することをおすすめします。
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