春に始めたい肝臓ケア
- Emi
- 3月20日
- 読了時間: 5分
知っているようで、知らない。
知ったかぶりしがちな臓器、肝臓。
肝臓ってどんな臓器?
簡単に紹介するけど、本当に働きものの臓器なのです。
1分間に1.5ℓ(体全体の血液の5分の1)が行き交う。走っていれば、肝臓から足に血を送り、一生懸命目を使っていれば、肝臓から目に血が送られる。
全身の血の量や濃度を調整するダムみたいな働き。
健康ならば、7割切っても4ヶ月したらもとに戻る、という超再生能力!
2500億〜3000億の肝細胞からできている。つまり、ライチやブドウみたいに、粒がいっぱい集まって構成されているイメージ。
入ってきた栄養を体が使いやすいような形に作り変える化学工場でもある。
脳はブドウ糖の供給が止まると、活動も止まるため、非常事態にそなえて貯蔵している。
血液の中の有害物質や老廃物を無毒化している。
肝臓の不調とその原因
肝臓の不調は、外的要因と内的要因の両方から引き起こされる。
外的要因:肝炎ウイルスの感染や過度の飲酒、暴飲暴食など。
内的要因:ストレスや精神的な負担も肝臓の機能に影響を与えることがある。
でも、中医学では1番の予防対策は1つだけ。
胃腸を保つこと。
肝臓と胃腸って別の臓器だから関係ない、と思うかもしれない。
でも、中医学では肝臓の健康は胃腸の状態と密接に関わっていると考えられている。
胃腸の働きが低下すると、体内に湿熱が生じ、気血の流れが滞ることで、肝臓にも悪影響を与える。
川の水も流れないと澱むように、体もスムーズに巡らなければ澱んでしまう。
その澱みは、長い時間をかけて、体を蝕むのです。
肝臓の不調を示す症状
右脇腹の熱感やしこり、張り、痛み
黄疸(皮膚や眼球の黄染)
腹水の貯留
肝臓の健康をサポートする食材
とにかく、早期に肝臓の不調を改善しましょう。
ダメージを受けた肝臓は、肝臓の修復に必要なビタミンを大量に欲しています。健康な人の2、3倍は野菜や果物を食べる必要があります。
ジャガイモ&タンパク質の組み合わせが最強説:
実はジャガイモはビタミンB群、C、亜鉛、鉄、マグネシウム、カリウム、ナトリウム、葉酸、ない足、パントテン酸、食物繊維などたくさんの栄養素を含む完全食!
実は抗がん効果がある食材
大根:胃腸を整え、イライラの解消にも効果があり
カブ:五臓の中から、その人の弱った臓器を強化する効果がある
レンコン:五臓の中から、その人の弱った臓器を強化する効果、胃腸整える、アレルギーの抑制効果もある
椎茸などきのこ類:免疫力を高め、肝硬変の予防にも役立つ
肝臓に効く
メチオニンやコリンを含む食品:卵、鶏肉、豚肉など。肝臓の機能をサポートする
貝類:特にハマグリの殻には効果があり、お吸い物などで殻を煮出して摂取するのが良い。牡蠣もいいよ。
太刀魚:肝臓を養い、銀色の皮には抗がん効果がある
ぶどう:潤いを与え、血液を増やし、肝機能を強化し、黄疸の改善にも効果がある
なまこ:腎臓、肝機能を強化し、血を増やす
うに:肝機能を強化し、胆汁の生成を助ける
肝細胞の保護に役立つ成分
カテキン:緑茶、紅茶、烏龍茶、りんご、さくらんぼ、ぶどう、なし、チョコレートなどに含まれ、傷ついた肝細胞の保護に役立ちます。
これらの食材や成分を日常的に取り入れることで、肝臓の健康維持や機能改善が期待できます。
備考:肝臓の健康を支える知恵
——昔からの知恵と現代の視点
肝臓は「沈黙の臓器」とも呼ばれます。多少の不調では痛みを感じることが少なく、気が付いたときには病状が進行していることも。だからこそ、日頃の生活で肝臓を労わることが何よりも大切です。
■ 中医学が教える「肝臓と感情」のつながり
中医学では、肝臓は「疏泄(そせつ)」という働きを持ち、気血の流れをスムーズに保つ役割があると考えられています。さらに、肝は「怒」と深く関わっており、ストレスや怒りが溜まると肝の働きが乱れやすいとされます。
日常生活で「イライラすることが多い」「理由もなく不安定になる」といった時、それは肝のSOSかもしれません。そんな時は深呼吸をしたり、ゆっくりとお茶を飲む時間を持つのも一つの養生です。
■ 昔から伝わる「肝を養う食の知恵」
日本の古いことわざに「春は肝を養う」という言葉があります。春は肝臓が最も活発に働く季節とされ、ここでケアを怠ると一年の健康に影響を与えるとも。
春先には、冬に溜め込んだ老廃物を排出し、肝の働きを助ける「苦味」や「酸味」の食材が良いとされます。例えば、ふきのとうや菜の花、たけのこなどの春の山菜。これらは肝のデトックスを助け、体内の巡りを整えてくれます。
また、「酸味は肝に良い」とされ、梅干しやレモン、酢の物なども肝臓の働きをサポートします。
■ 肝臓と「夜の時間」の深い関わり
中医学では、夜の「23時から3時」は肝の時間帯とされ、この時間に良質な睡眠をとることで、肝臓はしっかりと血液を浄化し、全身にきれいな血を巡らせることができると考えられています。
だからこそ、夜遅くまでの飲酒や不規則な生活は肝臓に負担をかけるもの。遅くとも23時までには就寝し、肝臓が自らの働きを十分に果たせるように整えていきたいものです。
ちょっとした日常の工夫で、肝臓を守る
・寝る前のスマホを控えて、深く休む。
・日常のストレスは「ため込まない」ことを意識する。
・旬の食材を取り入れて、肝臓を養う。
このような小さな積み重ねが、肝臓の健康につながっていきます。何よりも大事なのは、「不調に気づける感覚」を持つこと。
肝臓は声を出さずとも、食欲不振や疲れ、肌荒れ、眠りの浅さなど、日々の生活に小さなサインを送っています。ぜひ、その声に耳を傾けてみてください。
◆ ちょっと豆知識
古代中国では、「怒りは肝を傷つける」とされ、怒りを静めるために香り高いお茶を飲む習慣があったとか。ジャスミンティーやカモミールティーなど、心を穏やかにする香りのお茶は、肝の不調サインを感じた時におすすめです。
肝臓は、今日の食事、今日の休息、今日の感情に支えられている。
だからこそ、自分自身を労わることは、未来の健康への投資なのです。
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